

小津『秋刀魚の味』:あまりに自然な感情表現
ずっと見たかった小津の『秋刀魚の味』を観ました。やはり小津の映画を観ると安心するというか、癒されるというか。なんとなくホッとしますね。 小津の映画の一番大きな特徴は、「抑揚のなさ」だと思っています。もちろん、きちんとクライマックスと呼べるものはあります。ありますが、小津の映...


白川昌生『ダダ、ダダ、ダー地域に生きる想像☆の力』:ローカリズムと民衆の歴史
白川昌生(しらかわよしお)の展覧会に行ってきました。白川のことは知りませんでしたが、アーツ前橋が昨年春にオープンし、ずっと気になっていたので行ってきました。あと、ダダイズムにも興味があったので。 アーツ前橋は建物の構造はとてもユニークで、ぼくがこれまで見て来た美術館とはちょ...


『THE FUTURE TIMES』 Gallery&Live2014:死者との関係性
アジカンのヴォーカル・ゴッチが編集長を務める新聞『THE FUTURE TIMES』のイベントがタワーレコード渋谷店にて行なわれた。ライブメインかと思いきや、トークメインのイベントだったので、期待はずれの人もいたかもしれないが、ぼくは大満足の内容でした。...


アドロン『バグダッド・カフェ』:ブーメランの軌跡
変わり者・はぐれ者達が小さな家族を作る物語。砂漠の真ん中で、旅行中に男と別れた女・ジャスミンとその砂漠の真ん中でカフェとガソリンスタンド及びドミトリーを営んでいる女・ブレンダ。ブレンダも夫と喧嘩し、夫は出て行ってしまう。...


(仮)ALBATRUS『DEMO』:②言葉の身体性と「ハレ」の時空間
②言葉の身体性と「ハレ」の時空間 インターネットの普及のおかげで、身体を伴わない言葉がたくさん世に出回るようになりました。その最たる例が匿名での発言です。(このブログも身体性がないですね。) でも、そういった身体性のない言葉が氾濫したことにより、身体性のある言葉のありがたみ...
(仮)ALBATRUS『DEMO』:①形式とメタ・メッセージ
今回は,この楽曲の歌詞を使いながら、デモ論を展開したいと思います。結構カタめの内容ですが、かなり思い入れのあるテーマなので是非最後まで読んでみてください。 よろしくどうぞ! ちなみに、この『DEMO』という作品は、もちろん音楽の芸術性も高いですが、映像の力がとても強い。CD...
深作欣二『蒲田行進曲』:映画を語るための映画
深作さんの映画は『バトルロイヤル』しか見たことなかったです。『バトルロワイヤル』はストーリーも撮り方もあまり好きではなかったので、『蒲田行進曲』を見て深作さんの評価がガラリと変わりました。 この物語で印象に残ったのは、この物語が「物語の物語」というメタ構造になっている点...
Gotch『can't be forever young』:まるい命の燃やし方
いいですね〜。Gotch。アジカンが大好きなだけに「ソロはどうなんだろう?」と半ば心配な気持ちもありましたが、ぼくの心配などするに及ばず。アジカンで見せるのとはまた違うゴッチの良さが出ていました。 命の有限性。 これは最近のゴッチのテーマで、やはり3・11が大きなターニング...


浅野いにお『おやすみプンプン』の失われた母性愛について
僕の大学生活に多大なる影響を与えた『おやすみプンプン』がついに完結してしまいました。浅野いにおの作品は『ソラニン』等も好きですが、ぼくは『プンプン』が一番好きです。「あぁ、俺もこんなだったなぁ」と共感できるところがとってもたくさんありました。『プンプン』の完結に際し、何か一...


『アナと雪の女王』とアマノウズメ
『アナと雪の女王』見に行ってきました。ミーハーですね。笑 さて、今回は以下の二つの点が僕のアンテナに引っかかりました。 ①トリックスター・オラフ エルサの魔法から生まれた「動く雪だるま」のオラフ良かったですね〜笑。大爆笑でした。声優誰かなと思って調べてみたらピエール瀧。これ...