伊丹十三 『マルサの女』:宮本信子という「座頭市」
伊丹十三の「〇〇の女」シリーズは面白いですね。痛快です。 どの作品も毎回、ストーリー展開は一緒です。 業界のエリートキャリアウーマン(宮本信子)がうだつの上がらない男達を助けて、悪者(主に伊東四朗)を懲らしめる、というストーリーです。「マルサの女」はその舞台が国税庁であり、...
「開館40周年記念展第二部 - 1974年 戦後日本美術の転換点 - 」:①「見ること」の再定義
群馬県立美術館で面白そうな展示をしていたので、行ってきました。どうやらぼくは60・70年代の日本の芸術が好きなようです。 60・70年代は、東京を中心に日本の戦後文化が花開いた時代だと思います。現代で趨勢を誇るサブカルチャー(漫画、電子音楽、ロック、アイドル等)もこの時代に...
旅行記「豊島・直島」⑤:おじいさんの話と「つくること」・「こわすこと」
直島の本村港というところをふらふらしていると、80代くらいのおじちゃんに話しかけられました。直島についていろいろ教えてもらったので、備忘のために書いておこうかと思います。 ①直島の工業について もともと直島の住民の多くは造船業を生業としていました。現在も島の多くの土地が三菱...
東京バレエ団「祝祭ガラ」:日本的身体運用
100年に1人の逸材と言われるバレエの女王シルヴィ・ギエムが先日引退発表をしました。これは見に行ないと後悔するぞと思い、新幹線に飛び乗り富山まで。 バレエは初観劇でしたが、とても面白かったです。評判どおり、ギエムの身体は本当に人間離れしていましたが、ぼくとしては東京バレエ団...
旅行記「直島・豊島」④:『地中美術館』紹介と少しばかりのタレル、マリア解釈
先日も紹介した安藤忠雄が建築した美術館です。安藤氏は新国立競技場の件で新聞等では、「景観に合わないデザインを採択した」と批判されていましたが、この地中美術館は周囲との協調が売り。地中美術館のガイドブックにも、「風景を損なうことのないよう、あえて外観のない建築を設計しました」...
新国立競技場について:「女性の時代」のモニュメント
新国立競技場のデザインは、ザハ・ハディドというイラク出身の女性建築家が考案したものが採択されました。 ぼくは、新聞でデザイン案を見たとき、ちょっとあの明治神宮外苑という土地の雰囲気には合わないんじゃないかな、と思いました。(その新聞記事がそのような論調で書かれていたことも大...