ジャック・ケルアック『路上』:元祖カウンターカルチャー
この書は、1950年代にアメリカの若者の間で流行した「ビート」や「ヒーッピー」達のバイブル的な作品です。彼らはビートジェネレーションと呼ばれ、既成の価値観を次々と打ちこわしていきました。そしてその背景には、米兵が大義なく出兵したベトナム戦争が存在します。...
安部公房『内なる辺境』:「正統な国民」
やはり安部公房の文章は面白い。一つの事柄・思想・理論について、色んな角度から眺め、つつき回し、戯れる。そしてその戯れ方は実に論理性に富み、合理的である。安部公房は東大医学部を卒業しているが、かなり数学ができたのではないかと文章を読む度に思ってしまう。...
松本瑠樹コレクション「ユートピアを求めてーポスターに見るロシア・アヴァンギャルドとソヴィエト・モダニズムー」:コラージュという手法
米とキューバが国交回復しましたね。急なことだったのでびっくりしました。 さて、今回は冷戦期にロシアで起こったロシア・アヴァンギャルドという芸術運動を紹介します。 「ユートピアを求めて」というタイトルが表わすように、当時、ロシアの知識人たちは今までにはない夢のような社会の創成...
マグリット展:「山高帽」なるもの
久々の更新です。 マグリット展に行ってきました。ぼくはシュルレアリスム作品が好きなので、今回のマグリット展は琴線に触れる作品が多かったです。 ただ、マグリットは作風をコロコロと変える人なので、全然食指が動かない作品も多々ありました。 作品リストは以下のとおり。...