若松孝二×中上健次『千年の愉楽』:「反権力」の描き方
若松孝二(監督)と中上健次(原作)のタッグなんて、ぼく垂涎の映画ですね。「若松」も「中上」も友常勉という近代思想史の先生が扱っていたネタで知ったんですけどね。 両者とも文学が描く「反権力」を学ぶにはうってつけの作家のようです。...
「生誕100周年記念 中原淳一展」:中原淳一の形式美について
中原淳一の描く絵の美しさの秘密は、それが形式にハマったものだからです。小津安二郎の映画と同じです。徹底的に形式にこだわった作品というのは、見る人に安心感や穏やかな快感を与えます。中原の描く女性が美しさは、デザインによるものではなく(勿論デザインも美しいですが)、構図に起因す...