

福島菊次郎展@日本新聞博物館:ジャーナリズムについて
一年ほど前になりますが、写真家の福島菊次郎展に行ってきました。 福島は、41歳で妻と別れ、3人の子供を連れて上京しプロのカメラマンとなりました。 戦後の激動の半世紀を、常に弱者や少数派の立場に立って報道を続けてきた男です。...


白川昌生『ダダ、ダダ、ダー地域に生きる想像☆の力』:ローカリズムと民衆の歴史
白川昌生(しらかわよしお)の展覧会に行ってきました。白川のことは知りませんでしたが、アーツ前橋が昨年春にオープンし、ずっと気になっていたので行ってきました。あと、ダダイズムにも興味があったので。 アーツ前橋は建物の構造はとてもユニークで、ぼくがこれまで見て来た美術館とはちょ...


『あなたの肖像--工藤哲巳回顧展』:③「ハプニング」から「セレモニー」への移行
③「ハプニング」から「セレモニー」への移行 工藤は「ハプニング」や「セレモニー」と呼ばれる芸術的パフォーマンスを度々行っています。 この「ハプニング」や「セレモニー」が工藤の特徴にもなってます。 分かりづらいと思うので、ひとつ例を。 ...


『あなたの肖像--工藤哲巳回顧展』:②工藤哲巳と天皇制
②工藤と天皇制について です。 彼の作品の中で最も心に残った作品が 「縄文の構造=天皇制の構造=現代日本の構造(天皇制の構造についてー聖なるブラックホールー)」という作品です。(写真の作品は違います。)これは文章で説明するのは難しいですが、円盤の上に逆さにしたろうとのよ...


『あなたの肖像--工藤哲巳回顧展』:①反ヒューマニズムと身体
工藤哲巳回顧展で特に刺激的だった点は3点。それをかいつまんで解説してみたいと思います。 美術は専門じゃないので見当違いかもしれませんが。 ①反ヒューマニズムと身体 工藤哲巳の大きなテーマとして反ヒューマニズム(人間中心主義)があります。そしてそのテーマを表現するための...


『ものがたりグレゴワール・ソロタレフの世界展』:ソロタレフのビビットな色使い
グレコワールソロタレフ展に行ってきました!ポスターの絵に一目惚れですな。ソロタレフの書くキャラクターはとてもシンプルなのに雄弁ですね。真っ赤に描かれている生物(オオカミ?)の深い悲しみというか、猜疑心というかがぱっと見ただけで伝わってきます。ソロタレフの描く動物にはユーモア...


「生誕100周年記念 中原淳一展」:中原淳一の形式美について
中原淳一の描く絵の美しさの秘密は、それが形式にハマったものだからです。小津安二郎の映画と同じです。徹底的に形式にこだわった作品というのは、見る人に安心感や穏やかな快感を与えます。中原の描く女性が美しさは、デザインによるものではなく(勿論デザインも美しいですが)、構図に起因す...