

小津『秋刀魚の味』:あまりに自然な感情表現
ずっと見たかった小津の『秋刀魚の味』を観ました。やはり小津の映画を観ると安心するというか、癒されるというか。なんとなくホッとしますね。 小津の映画の一番大きな特徴は、「抑揚のなさ」だと思っています。もちろん、きちんとクライマックスと呼べるものはあります。ありますが、小津の映...


アドロン『バグダッド・カフェ』:ブーメランの軌跡
変わり者・はぐれ者達が小さな家族を作る物語。砂漠の真ん中で、旅行中に男と別れた女・ジャスミンとその砂漠の真ん中でカフェとガソリンスタンド及びドミトリーを営んでいる女・ブレンダ。ブレンダも夫と喧嘩し、夫は出て行ってしまう。...
深作欣二『蒲田行進曲』:映画を語るための映画
深作さんの映画は『バトルロイヤル』しか見たことなかったです。『バトルロワイヤル』はストーリーも撮り方もあまり好きではなかったので、『蒲田行進曲』を見て深作さんの評価がガラリと変わりました。 この物語で印象に残ったのは、この物語が「物語の物語」というメタ構造になっている点...


『アナと雪の女王』とアマノウズメ
『アナと雪の女王』見に行ってきました。ミーハーですね。笑 さて、今回は以下の二つの点が僕のアンテナに引っかかりました。 ①トリックスター・オラフ エルサの魔法から生まれた「動く雪だるま」のオラフ良かったですね〜笑。大爆笑でした。声優誰かなと思って調べてみたらピエール瀧。これ...


リンチ『マルホランド・ドライブ』と八百比丘尼
久々にリンチ映画に挑戦!少しは分かるようになっているかと自分に期待して観ましたが、さぁ、・・・まるで手も足も出ない! 最後の方で小さいオジさん達が出て来ちゃったところなんてもう爆笑でした。笑いがしばらくは止まらなかった。リンチのデタラメな運転により、終盤残り30分くらいのと...


若松孝二×中上健次『千年の愉楽』:「反権力」の描き方
若松孝二(監督)と中上健次(原作)のタッグなんて、ぼく垂涎の映画ですね。「若松」も「中上」も友常勉という近代思想史の先生が扱っていたネタで知ったんですけどね。 両者とも文学が描く「反権力」を学ぶにはうってつけの作家のようです。...